日本からでも取れる。スペイン・ポルトガルのサッカーチケット、僕の買い方ぜんぶ
この夏に8試合、全部自分で買った実体験をもとに。クラブ公式サイト・転売サイト・ソシオ(会員)の3ルートを、画面の流れ、値段、落とし穴まで図解。ベルナベウ433ユーロからポルティマン5ユーロまで。

Photo: Ivan Stesso / CC BY-SA 4.0
この夏、8試合ぶんのチケットを自分で買った
7月から9月までに、ポルトガルとスペインで8試合を観た。チケットは全部、自分でネットで買った。一番安かったのがポルティマンの5ユーロ、一番高かったのがベルナベウの433ユーロ。買った場所も、クラブ公式、チケット会社、転売サイト、クラブの会員制度と、ばらばらだ。
「ヨーロッパのサッカー、行ってみたいけどチケットの取り方が分からない」という声を、日本の友人からよく聞く。実際、僕も最初はそうだった。でも、やってみると、ほとんどの試合は日本のソファの上から30秒で買える。この記事では、僕が実際に使った方法を、画面の流れと、値段と、落とし穴まで全部書く。
まず結論:ルートは3つ
| ① 公式 | ② 転売・仲介 | ③ ソシオ | |
|---|---|---|---|
| 値段 | 定価(5〜200€) | 定価の3〜10倍 | 定価の割引+年会費 |
| 確実さ | 高い(届いた瞬間に手元) | 中(試合の数日前に届く) | 最も高い |
| 手間 | アカウント登録(10分) | クレカだけ(3分) | 住所証明の提出(数日) |
| 向いている人 | ほぼ全員 | 公式が完売した人 | 同じクラブに年3回以上行く人 |
① クラブ公式サイトで買う(基本はこれ)
僕が公式で買った6試合
| 試合 | 買った場所 | 席 | 払った額 |
|---|---|---|---|
| スポルティング(親善2試合) | MEO Blueticket | 西スタンド下段 | 各 38.87€ |
| ポルティモネンセ | MEO Blueticket | 東スタンド最前列 | 6.23€ |
| レアル・マドリード | realmadrid.com(VIP枠) | 東サイド3階 | 433€ |
| バレンシア | valenciacf.com | 上段サイド | 198.40€ |
| セビージャ | sevillafc.es | スカイ・ネルビオン | 公式価格 |
| ポルト | bilhetes.fcporto.pt | 東スタンド ブロンズ2 | 300〜500€(VIP枠) |
流れはどこもほぼ同じ
- 公式サイトの「Tickets」「Entradas」「Bilhetes」を探す。 ラ・リーガのクラブは、だいたい英語ページがある。ポルトガルのクラブはポルトガル語のみのことが多いが、Google翻訳のブラウザ拡張で十分。
- アカウントを作る。 名前、メール、電話、住所、生年月日。ポルトの場合は、メール認証→個人データ確認→購入まで20分かかった(8月28日 20:50にアカウント作成、21:11に購入完了)。パスポート番号やNIF(納税者番号)を求められる場合は、任意欄なら空欄でいい。 僕は住んでいる国のものを入れている。
- 席図からブロックを選ぶ。 画面の見方は下に書く。
- クレジットカードで払う。 日本発行のVisa/Masterで問題ない。3Dセキュア(SMS認証)が飛んでくるので、日本の番号が受け取れる状態で。Revolutがあると、ユーロ建てで手数料が消えるので、僕は基本これ。
- チケットはメールで届く。 PDFか、Apple Wallet/Google Walletに入れる形式。レアル・マドリードはスクショ・PDF・印刷が全部無効で、ウォレットのパスしか通らない。 他のクラブもその方向に進んでいる。
席図の読み方(ここで迷う人が多い)
スペインのスタジアムの席の名前は、だいたいこの4種類だ。
| スペイン語 | 意味 | 値段 | 僕の感想 |
|---|---|---|---|
| Fondo / Gol | ゴール裏 | 一番安い | 応援団がいる側。熱いが試合は見にくい |
| Lateral / Preferencia | サイドスタンド | 中〜高 | テレビカメラと同じ側。試合が一番見やすい |
| Tribuna | メインスタンド | 高い | ベンチ側。屋根があることが多い |
| Anfiteatro / Grada alta | 上段 | 中 | ピッチ全体が見える。メスタージャは傾斜が急 |
ポルトガルは Bancada Nascente(東)/Poente(西)/Topo Norte/Sul(北・南ゴール裏) で、西(Poente)がメインスタンド。ドラゴンの南スタンド上段はウルトラスの区域なので、落ち着いて観たいなら東西を選ぶ。
屋根の有無は必ず見ておく。 9月のバレンシア、16時15分キックオフ、屋根の縁ぎりぎりの席で、前半の半分が直射日光だった。「Cubierta(屋根あり)」「Descubierta(屋根なし)」という表記が席の名前に入っていることがある。
公式の落とし穴
- 会員優先で一般枠がすぐ消える。 ポルト対ベンフィカのような大一番は、会員(ソシオ)の先行で大半が売れる。一般販売は試合の1〜2週間前、しかも数が少ない。僕が買えたのは運が良かった。
- 人気試合はVIP枠しか残らない。 ベルナベウのマラガ戦、5日前に開いたら一般席は完売。残っていた「MATCHDAY Premium」(ラウンジ付き)を433ユーロで買った。これを「高い」と思うか「買えてよかった」と思うかは、その人次第だ。
- ポルトガルのクラブは「アクセスカード」方式。 チケットが直接メールで来るのではなく、クラブのアプリかサイトの「Área Pessoal」からカードをウォレットに入れる。メールの「購入確認」は入場券ではない、と明記されている。
- 時刻は直前まで決まらない。 リーグ戦は「週末」とだけ発表され、キックオフ時刻はテレビ局の都合で2〜3週間前に確定する。飛行機を先に取ると、金曜夜の試合だったときに困る。
② 転売・仲介サイトで買う(公式が完売したとき)
僕はエルチェ対レアル・ソシエダを Hellotickets で買った。公式の一般販売が終わっていたからだ。「プレフェレンシア・デスクビエルタ(屋根なしサイド)」で258ユーロ。公式で買えば25ユーロ前後の席。10倍だ。
それでも使ったのは、「この日この場所に行く」が先に決まっていたからで、値段を比べて買ったわけではない。使うなら、以下を分かったうえで。
使う前に知っておくこと
- 「購入確認」と「チケット到着」は別のメールで、間が空く。 届くまでの数日間、「本当に来るのか」と少し不安になる。届いたあとは忘れる。
- 窓口に行っても助けてもらえない。 「問題があっても、スタジアムの窓口やスタッフには行かないでください。彼らは私たちの注文を知りません」とメールに書いてある。サポートはWhatsAppだけ。
- 同じ仕組みのサイトはいくつもある。 Viagogo、StubHub、Hellotickets、Ticombo など。どこも「仲介」であって、クラブの公式ではない。売り手が個人の場合もある。
- Viagogo は検索で一番上に出てくるが、一番上に出てくることが安全の証明ではない。 手数料が決済の最後に乗るので、最終画面まで進んで合計額を見てから決めること。
僕の結論は「公式で買えないときの、最後の手段」。ただし、どうしても観たい試合があって、定価の10倍を払う覚悟があるなら、ちゃんと届く。エルチェの夜は、258ユーロの価値があった。
③ ソシオ(会員)になる(ハマった人向け)
これは普通の旅行者にはおすすめしない。でも書いておく。僕がそうなったからだ。
9月20日にドラゴンでクラシコを観て、ポルトのファンになってしまった。「いつもいい席で観たい」と思ったら、答えはひとつで、ソシオ(sócio=クラブの会員)になることだった。
10月にオンラインで申し込んだ。流れはこうだ。
- クラブのサイトからソシオ申込み。名前、住所、生年月日、年会費の支払い。
- 数日後、クラブから「住所証明(comprovativo de morada)を送ってください」というメール。申込みに書いた住所と名前が載っている書類が要る。僕は自分名義の携帯電話会社の請求書(10月3日付)を送った。
- 翌日、「登録が完了しました。カードを郵送します」。並行して「デジタル会員証をダウンロードしてください」というメールも来た。
つまり、ポルトガルの住所と、その住所宛ての公共料金の請求書が要る。 ここが日本からの旅行者には難しい。クラブによっては海外会員(sócio internacional)の制度があるので、本気でハマったクラブがあるなら、そのクラブの公式サイトで「international member」を探してみてほしい。
ソシオになると、チケットは会員先行で買えて、値段も安く、クラシコの一般枠が消えたあとでも席が残っている。年に3回以上同じスタジアムに行くなら、元は取れる。
日本から来る人への、現実的なおすすめ
正直に言うと、この夏いちばん「サッカーを観た」と思えたのは、ベルナベウの433ユーロの席ではなく、ポルティマンの5ユーロの最前列と、セビージャの讃歌の真ん中だった。チケットの値段と、その日の熱は、比例しない。
日本から来るなら、ビッグクラブの試合を1つと、中堅クラブの試合を1つ、組み合わせるのをすすめたい。片方で「世界最高峰」を観て、もう片方で「街の生活としてのサッカー」を観る。両方観ると、ヨーロッパのサッカーが文化だという意味が、身体で分かる。
旅のメモ
- 時差:日本の22時がスペインの15時。公式の発売開始時刻は現地時間なので、日本では深夜になることが多い。
- 決済:日本のクレカは通る。SMS認証を受け取れる状態で。Revolutかwiseがあるとユーロ建てで手数料ゼロ。
- 本人確認:公式のアカウント登録でパスポート番号を求められたら入れる。入場時にIDを見せることは、僕の8試合ではなかった。
- アプリ:ラ・リーガのクラブは Onebox 系のチケットサイトが多く、Apple Wallet 連携がスムーズ。ポルトガルのクラブはクラブ独自アプリ。
- 時刻の確定:リーグ戦のキックオフ時刻は2〜3週間前。飛行機は時刻確定後に取るか、試合翌日まで滞在する前提で。
- 返金:ほぼ不可。「All ticket sales are final」がどこにも書いてある。
🏙️ 街の風景




